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YAMABIN | 山便 001

YAMABIN | 山便

人、植物、モノ、場所。
山を編集する日々の記録。

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YAMABIN 001

艸化番外麺、真岡へ。

2026.09.13

今回は芽の巣山を飛び出して、栃木は真岡で開催された「艸化番外麺」at 麺ノ小池へ行ってきました。

持っていったのは植物ではなく、山鉢、山石、山砂、山土、山台、山箱、山色カプセルなど、芽の巣山で少しずつ作ってきた「山の道具」。

普段、高円寺の店の中に並んでいるものを違う場所へ持っていくと、また違った見え方がありました。

01|真岡へ

艸作さんのことを知ったのは、おそらく10年以上前。

Instagramを通してずっと拝見していて、その独自のセレクトや植物の見方に、どこか古典的な園芸の匂いを感じていました。

自分自身、もともと日本の趣味家、それも年配の方々が長い時間をかけて作ってきた多肉植物やサボテンに魅了されたところがあります。

艸作さんの植物にも、どこかそれに近いものを感じます。

多種多様な品種を扱いながら、珍しい、珍しくないだけではない。

いわゆる普及種であっても、一つひとつのタイプの違いや、葉の出方、姿の違いを見て、その中に魅力を見つける。

そういう「審美眼」に、以前から惹かれていました。
(というか、私は、ピュアな艸化ファンです。)

これまでにも艸作さんの単独イベントには3回足を運んでいましたが、今回、真岡でイベントを開催すると知って、

「いいですね。頑張ってください」

と連絡したのが始まりでした。

「イベント来られますか?」

と聞いていただいたのですが、その日は仕事。

「行けないです」と返すと、「残念です」と。

だったら、

「出店させてもらえたら行けます」

と(笑)。

断られたらどうしようという気持ちもありましたが、快く受け入れていただき、まさかの初ジョインとなりました。

自分にとって艸作さんは、以前から憧れでもあり、尊敬している存在。

そんな人と一緒にイベントができるということが、単純にとても嬉しかったです。

そして現地に行ってみると、そこに集まっていたのは古道具屋、古着屋、手芸、コーヒーなど、それぞれ違う商いをしている人たち。

その顔ぶれからも、艸作さんが普段どういう人たちと関わっているのかが少し見えるようで、会場全体にとても温かい空気が流れていました。

しかも場所は、真岡のラーメン屋さん麺ノ小池さんの駐車場。

そのトリッキーさも面白い。

高円寺でも見かける方が真岡まで来ていたりして、知っている顔もある。

でも場所が変わると、同じ人たちでもまた少し違って見える。

初めての真岡でのイベントでしたが、とても楽しい時間でした。

02|山の道具を、外へ持ち出す

今回、艸作さんが植物を持ってくることはもちろん分かっていました。

だったら芽の巣山は、植物ではないものを持っていこう。

そう思って選んだのが「山の道具」でした。

山鉢、山石、山砂、山土、山色カプセル。

芽の巣山では日常的に並んでいるものですが、山の道具を主役にして外で物販するのは、実は今回が初めてでした。

正直、どう受け取られるのかは分かりませんでした。

でも実際にブースに立ってみると、

「山鉢、欲しかったんです」

「山の道具、気になっていました」

と声をかけてもらうことが思っていた以上に多かった。

これは素直に嬉しかったです。

同時に、少し可能性も感じました。

植物を育てる。

鉢を選ぶ。

土をつくる。

石を置く。

台にのせる。

その一つひとつを単独の商品として考えるのではなく、植物と、人のつくるもの。その間にあるものを組み合わせて、一つの景色として見せていく。

自分がこれからもっとやっていきたいのは、たぶん、そういう編集的な作業なんだと思います。

今回、山の道具だけを持って外へ出たことで、改めてそのことに気づきました。

またいろいろ作りたくなりました。

03|やってみて、見えてきたこと

今回の出店は、ほんのちょっとしたやり取りから始まった、思いがけないジョインでした。

だからこそ、ここで終わらせたくないなと思っています。

また艸作さんと何かできたらいい。

そして、そんな時が来るのかはまだ分からないけれど、いつか芽の巣山でも艸作さんの植物を見ていただける機会をつくることができたらなと思っています。

素敵なセレクト。

自ら生産したもの。

長い時間をかけて、愛情を込めて作ったもの。

そして何より、本人が楽しみながら作った「手跡」の残っている艸たち。

それを、普段芽の巣山へ来てくれている人たちに見てもらいたい。

もちろん、すでに艸作さんを知っている人もたくさんいると思います。

それでも「芽の巣山という場所で見る艸作の植物」という景色を、いつか作ることができたら。

今回の真岡から、そんな次の妄想も少し始まっています。

山のあとがき

今年は岡山のイベントから始まり、調布、群馬、そして今回の真岡。

これまで一年に一度、外へ出るか出ないかという年も多かった芽の巣山ですが、今年はかなりイレギュラーなくらい、いろいろな場所へ出ています。

外へ出てみると、いつもの高円寺の店では気づかなかったことが見えてきます。

今回、真岡へ「山の道具」を持っていったこともその一つ。

植物そのものだけではなく、植物のある景色をつくるための鉢、土、石、道具。

そして、人がつくったものと植物がつくるもの、その交じりあった景色を編集していくこと。

それが、これから芽の巣山がやりたいことの一つなのかもしれません。

まだまだ途中。

だからこそ、外へ出ながら、人に会いながら、作りながら。

少しずつ、次の山をつくっていけたらと思っています。

PROFILE

石井和昭|Kazuaki Ishii

芽の巣山 店主。

美容師として人の手から造形される髪型に長く向き合ったのち、植物の世界へ。

多肉植物、サボテン、珍奇植物をはじめ、鉢、陶芸、工芸、土、石など、人のつくるものと自然のつくるもの、その交じりあった景色に惹かれる。

東京・高円寺「芽の巣山」を拠点に、植物のセレクトや植え込み、作家との別注制作、山鉢・山石・山砂・山土など「山の道具」の企画・制作を行う。

著書に『THE POT』。

植物を売ることだけではなく、その植物が置かれる景色、その背景にある人やモノまで含めて伝えること。

「山を、編集する。」

をテーマに、植物と人の間にある景色をつくっている。

MENOSYAMA
Tokyo / Koenji

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